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【LDLアフェレーシス治療】

家族性高コレステロール血症は動脈硬化を引き起こし、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞等を発症するリスクが高くなってきます。適切な治療を施し、発症のリスクを減少させて行くことが重要です。

治療は食事療法を徹底することが重要ですが、家族性高コレステロール血症患者の血清総コレステロール値はなかなか下がりません。このような場合は投薬による治療が必要となりますが、投薬により血清総コレステロールが下がっても薬を中断すると元に戻りますので注意して下さい。

投薬でも血清総コレステロール値が下がらない場合(一般には家族性高コレステロール血症ホモ接合体の患者)は、LDLアフェレーシス治療を施すことがあります。ここでは家族性高コレステロール血症の治療方法の一つである「LDLアフェレーシス治療」についてご紹介します。

LDLアフェレーシス治療は、血液を体外で循環させ、血液からLDLコレステロールだけを除去する血漿浄化治療のことです。この治療は血液に含まれるその他の有用な血漿・血液成分への変化は少ないと言われています。

また薬物療法と併用することで、動脈硬化の進行抑制や改善が認められるという報告もあります。しかし治療前と比べてLDLコレステロール値を大きく下げることが出来ますが、時間の経過とともにLDLコレステロール値は再び上昇するため、一般的には2週間毎に1回の頻度で治療を受ける必要があります。

LDLアフェレーシスの治療方法は、静脈から取り出された血液を血漿分離器を通すことで、血球成分と血漿に分離し、LDLコレステロールが含まれる血漿を吸着型血漿浄化器の中を通過させます。この血漿浄化器にはLDLコレステロールを吸着する物質を固着させたセルロースゲルが入っており、LDLコレステロールのみ吸着させ他の成分は通過させます。LDLコレステロールを取り除いた血漿は、先に分離された血液成分と浄化装置の中で混ざり合わされ、再び静脈から体内に戻されていきます。

LDLアフェレーシス治療は、1回で2時間から3時間を要し、治療を受けている患者には大きな負担となっています。また治療費は高額で継続して治療を受けることが必要なことから経済的に大きな負担となります。

血液浄化装置血液浄化装置(株式会社カネカメディックス様提供)


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